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執筆者の写真山口 としなり

無観客試合

プロスポーツの開幕の見通しがたたず、やきもきしている方も多いと思います。


無観客試合の開催も取りざたされていますが、観客がいないスタジアムは選手のパフォーマンスに影響するのかしないのか。

大昔、パリーグの試合でガラガラの観客席を見慣れていた世代にとっては、観客がいようがいまいが、あまり関係ないのかなと、思ったりもしますが。

プロにとって、それ以上に大きな問題はチケット収入が途絶えることですね。無観客であってもテレビ中継などがあればともかく、そうでない財政基盤が弱いプロスポーツはひとたまりもなさそう。すでにバスケットボールのBリーグはクラブによっては存続の危機に瀕しているという報道もあります。

そこで、忘れられないために、盛り上がりを消さないために、新型肺炎の終息に向かって力を会わせるために、目的はいろいろですが、選手やOBOGのレベルでもいろいろと工夫し、発信しているようです。


例えば、サッカーのJ1鹿島は、無観客試合であっても、ICTでファンとつながり、いいプレーやゴールには投げ銭ができるシステムを用意するという報道がありました。それによって入場料収入がゼロであっても、試合をマネタイズすることができるわけですね。浸透すれば、新しいスポーツ観戦の形になる可能性も感じます。前向きな取り組みやアイデアはさすがJリーグという感じ。

ラグビー界はどうでしょうね。観客はもちろんですが、競技の性質上、プレーヤー同士どうしても密な状態が避けられませんし、ひょっとすると次のシーズンも再開は難しいのでは。せっかく先のW杯で人気が定着しはじめていたところだったのに、なんてついていないんだろう。と思っていたら、オーストラリアでのスーパーラグビーが再開の見通しとか。日本のサンウルブスも参戦するということなので、どんな感染対策をとるのか、注目したいところです。

さらに深刻なのは音楽、演劇などのエンターテイメント業界です。舞台にしても、アイドルのライブにしても、開催延期や中止のニュースを聞いて、それが日頃どれだけ暮らしのうるおいになってくれていたか、を思い知らされます。ライブでなければ味わえない感動があり、スタジアムやステージに、また選手やアーティストと観客が一体となった熱気がもどってくることを心待ちにしています。


でも、これも、だいぶ以前のことですが、神宮球場で日米大学野球を観戦したときは、おなじみの楽器演奏や応援がなく、静かな球場に選手の声だけが響くという、新鮮な経験をしました。無観客試合は、選手間の指示やサイン、トークを聞ける、そんな貴重な機会になるといいなぁと思うのでした。

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